イボ、ウオノメ、巻き爪

イボ(尋常性疣贅)とは

イボ(尋常性疣贅)とは皮膚の小さな傷からヒトパピローマウイルスが侵入して生じる皮膚の感染症です。子どもに生じることが多く、手足にできやすい傾向があります。潜伏期間が3~6か月ほどあり、ゆっくりと大きくなります。
患部に触れることで感染する可能性があり、多発しやすく、複数のイボが集まって大きなイボになることがあります。ウイルスの種類や感染部位によりいくつかに分類され、主なものには足底疣贅、ミルメシア、色素性疣贅、点状疣贅、糸状疣贅などがあります。
顔面の小さいイボはウイルスの他、長年の紫外線で起こります。

症状

足底疣贅

足裏に生じるイボです。たこやウオノメに似ていますが、皮膚の奥に点状の出血があります。盛り上がりが少なく、表面が白っぽく乾燥した状態に見えます。

ミルメシア

手足に生じるイボです。ドーム状に盛り上がって、赤みや痛みを伴うこともあります。水イボに似ています。

色素性疣贅

黒っぽい色素沈着があるイボです。一般的には黒イボと呼ばれています。

点状疣贅

足裏に乾燥した小さい白い点状の病変が多発します。

糸状疣贅

数㎜程度の細長いイボができます。主に、顔、頭、首に現れます。

検査

ダーモスコピーで病変を確認します。

治療

当院では保険適用になる凍結療法、外用療法、内服療法を行っております。

凍結療法

-196℃の液体窒素を用いて病変部を冷却する治療法です。イボの大きさや数によって治療期間は変わりますが、週1回の治療を数週間から数か月続けることで十分な効果を得られるとされています。治癒率が高く、合併症も起こりにくいことからイボ治療の第一選択となっています。この治療によって、一時的な赤み、水ぶくれ、痛みを生じる場合があります。必要に応じ患部の固くなった部分を削る処置も行います。

外用療法

定期的な通院が難しく、自宅でできる治療を希望されている場合に行います。治癒率は凍結法に比べると低くなります。

内服療法

ヨクイニンを処方します。凍結療法や外用療法と併用されることが多くなっています。

たこ・ウオノメとは

たこ・ウオノメとは圧迫や摩擦といった刺激に対して皮膚が起こす防御反応です。皮膚は表皮、真皮、皮下組織に分かれていて、表皮の最も表層には角質層があります。角質層は水分を体から逃さないための役割や、様々な刺激や病原体などから体を守るための働きも持っています。足裏の皮膚の角質層は全体重を支え、大きな負荷を受けることから特に分厚くなっています。サイズの合わない靴などによって足裏の皮膚に部分的な刺激が繰り返し生じると、その部分を守るために角質層はさらに分厚さを増し、たこやウオノメを発症します。
市販の器具もありますが糖尿病やリウマチのある方は皮膚科での処置をおすすめ致します。

たことウオノメの見分け方

ほとんど同じ原因によって生じ、見た目もかなり似ていますが、ウオノメには芯があり、圧迫されることで強い痛みを起こします。

ウオノメ

足裏の出っ張った部分や足指の周囲や間などにできることが多くなっています。
芯があり、皮膚に食い込んでいる状態で、圧迫されると強い痛みを起こします。

たこ

足裏の出っ張った部分にできやすく、表面が平坦に盛り上がります。圧迫されても強い痛みを起こすことはほとんどありません。

たこ・ウオノメの治療

分厚くなった角質を除去する治療が基本になります。軽度であれば角質を柔らかくするサリチル酸などを数日間貼っておく治療で改善が見込めます。それでは十分な改善が得られない場合には、冷凍凝固療法やメスによる外科的切除によって分厚くなった角質を取り除きます。
当院では中敷き、靴選びなどの予防アドバイスも行っております。

冷凍凝固療法

たこやウオノメのある患部を凍結・壊死させる治療法です。多くの場合には、一定期間をおいて複数回冷凍凝固療法を行います。
当院では効果の高いスプレー式を採用しています。

メスによる外科的切除

ウオノメは強い痛みを起こすことがありますが、芯を取り除くことで痛みを解消できます。

巻き爪・陥入爪とは

巻き爪・陥入爪とは爪の左右が皮膚に深く食い込んでいる状態が巻き爪です。陥入爪は、小さな爪の切り残しなどが皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態です。巻き爪があると陥入爪を発症しやすくなりますが、巻き爪でない場合も陥入爪になることがあります。深爪、サイズの合わない靴などによって生じるとされています。特に、爪切りの際に左右を深く切りすぎると巻き爪や陥入爪を発症しやすくなります。
巻き爪や陥入爪はつま先の痛みを起こし、特に陥入爪は激しい痛みを伴います。また、軽い痛みでもかばうように無理な姿勢で歩くことで膝や腰に余計な負担がかかり、深刻な関節症などにつながることもあります。

巻き爪

爪のカーブが強くなり、左右が皮膚に深く食い込んでいる状態です。足指の先から見ると「の」の字のように見えるほど強く巻いてしまうこともあります。歩いたり、入浴して爪が水気を吸ってふくらんだりすることで痛みを生じることがあります。ただし、かなり強くカーブしていても特に痛みを起こさない場合もあります。

陥入爪

爪の左右が皮膚に深く食い込む、小さな切り残しが食い込むなどによって炎症を起こしている状態です。化膿や肉芽形成を起こしやすく、歩行できないほど激しい痛みを伴うこともあります。

巻き爪・陥入爪の治療

健康保険適用の保存療法、爪切り術や部分抜爪があります。巻き爪のワイヤー法による治療は健康保険適用されませんが、ご希望があれば自費診療として行っています。

保存療法

軽度の巻き爪の場合には外用剤処方やテーピングなどを、陥入爪で炎症や痛みが軽度の場合には抗生剤や外用剤処方を行うことがあります。痛みのない治療ですが、治るまで長い治療期間が必要になります。

爪切り術

局所麻酔を行って食い込んでいる爪の切り残しや膿などをきれいに取り除きます。外来で受けられる処置ですが、当日は患部を水で濡らすことはできません。

部分抜爪

局所麻酔を行って、食い込んでいる左右部分の爪を根元の爪母から切除する治療法であり、外来で受けることができます。当日は患部を水で濡らすことができず、出血しやすいので運動や飲酒も控える必要があります。また、経過観察のために翌日の受診も必要になります。

巻き爪のワイヤー法

巻き爪は痛みや皮膚が盛り上がる肉芽形成などを生じやすく、感染によって陥入爪発症のリスクもあります。また、特に痛みなどがなくても整容的に気になってサンダルなどをはけないというお悩みを持つ場合もあります。当院では、ドイツ生まれのVHOワイヤーによって巻き爪を矯正する治療を自費診療として行っています。痛みもなく、日常生活にも特に制限はありません。
先端だけでなく根元に近い部分も巻いている場合には、ワイヤーを約1か月ごとに掛け替えて長期間治療を続ける必要があります。

ワイヤー法を受ける際の注意点

状態により治療の適応とならない方もいます。
水虫がある場合には、その治療を優先して行い、治ってからワイヤー法が可能になります。
爪が薄い場合、割れてしまう可能性があります。
ワイヤー法による矯正中にワイヤーの皮膚への食い込み・爪の割れ・ワイヤーの飛び出しなどが起きた場合には、すぐに受診してください。

費用

巻き爪のワイヤー法 11,000円/回(税込)

こんなお悩みがある場合にはご相談ください

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